後ろ身頃と前見頃の袖ぐりの曲線部分の編み図ができましたので、次は前見頃の衿ぐり部分を編み図に落としていきます。

衿ぐり部分のデザイン図を編み図に落とす

 セーターの前見頃のデザイン図は下の図の通りであり、袖ぐり部分だけを拡大するとその下の図の通りとなります。

① 袖ぐり部分と同じように、衿ぐり部分の曲線となる部分だけをゲージに合わせた図面に落とします。

  • 横は9cmなので、ゲージ割合を掛けて10目分横線を引きます(9cm×10.7÷10=9.63≒10目)。
  • 縦も9cmなので、ゲージ割合を掛けて12段分縦線を引きます(9cm×13.6÷10=12.24≒12段)。
  • 各線の端部分をそれぞれA、B、Cとします。

 デザイン図を編み図にすると、下の右側の図のようになります。

 袖ぐりと袖山カーブはデザイン図の向かって右側のデザイン図を編み図に落としましたが、衿ぐり部分では(セーターの)向かって左側の衿ぐり部分を編み図に落とし、それから(セーターの)向かって右側部分の衿ぐり部分を編み図に落としていきます。

 編み図はデザイン図の右側を落としてから(機械的に)左側を落とす事になりますが、衿ぐり部分については左右が袖ぐり等と逆になります。そのため(セーターの)向かって左側の衿ぐり部分を先に編み図に落とす事になります。

 以下においては、左右を反転させた編み図でご説明させていただきます。

② A―C線の中央をD点とし、D―B線の中央をE点とします。

③ A点からE点を通ってC点に至るまでの、なだらかなカーブをハンドライトで描きます。

④ ハンドライトで描いた曲線に概ね沿うように段を描いていきます。

  • 袖ぐり部分の時と同じように、「」は2段毎・4段毎等の偶数段とします。
  • 曲線より外側にある分は良いですが、曲線にはなるべく食い込まないように段を付けます。

 袖ぐりのカーブと袖山カーブは先に向かって右側を描いてから、機械的に向かって左側を描きました。しかしながら少し調整が必要になりますので、分かりやすくなるように逆側部分の編み図を描くのはここでは省いて、メモリーシートに落とす作業に入ります。

衿ぐり部分の編み図をメモリーシートに落としてから編み図に落とす

 ここも袖ぐり部分の時と同じように全て編み図でご説明しましたが、やはりカーブ部分は①向かって右側の編み図を描き、②それをメモリーシートに書き入れ、③向かって左側のメモリーシートを機械的に書き入れて、④向かって左側の編み図を描く、という形になります。

① 自作グラフノートに向かって右側の衿ぐり部分の編み図を描く

 減らしていく目数と減らす段は、以下の通りとなります。

1段目 :4目減らす

3段目 :2目減らす

5段目 :2目減らす

9段目 :2目減らす

② 向かって右側をメモリーシートに書き入れる

 編み図のこの部分をメモリーシートに書き入れます。袖ぐりの時と袖山カーブの時は「向かって右側」は青字や黒字としました。衿ぐりのこの部分は前半で編んでいただいた時にお分かりになったと思いますが、この衿ぐりの部分は向かって左側の肩下がりと一緒に編む事になりますので、それと合せて赤字とします。書き入れたものは以下の通りです。

③ 向かって左側を機械的にメモリーシートに書き入れる

 ここまでの部分で、何段目で何目減らしていくかが描けたら、機械的に向かって左側部分を描着れます。ここで注意しなければならないのは、衿ぐりとしては向かって左側ですがこの部分は向かって右側の肩下がりと一緒に編んでいくという事です。

 袖ぐりや袖山カーブで向かって左側で目を減らす時は、必ず向かって右側で減らした段の1つ次の段でした。それに合わせるために、衿ぐりの向かって左側で目を減らす時は、向かって右側の1つ前の段で目を減らす事になります(黒矢印部分)。

 機械的に書き入れるとこのようになります。これをそのまま編み図にすると、下の図のようになります。

 この状態だと首元のラインがズレてしまいますし、「マイナス1段目」というのはありませんので、向かって左側で4目減らす分を1段目に持ってくる事でそのズレを修正します。そのように修正したメモリーシートはこのようになります。

 こうして1段目で一旦左針を休めて向かって右側の衿ぐりと肩下がりを一緒に編み、その後で8目伏せてから改めて向かって左側の衿ぐりと肩下がりを編む、というように考えるものとします。

④ 向かって左側の編み図を描く

 これを編み図にすると、下の図の青線のようになります。

 袖ぐり部分やこの後でご説明させていただきます袖山カーブ部分は、向かって右側の編み図を描いてから向かって左側の編み図を描くのも特に難しいものではないと思います。

 しかしながら衿ぐり部分は最後に調整が必要になってしまいますので、最初に申し上げた通り①向かって右側の編み図を描き、②それをメモリーシートに書き入れ、③向かって左側のメモリーシートを機械的に書き入れて、④向かって左側の編み図を描くという順番の方が編み図を描きやすいというのが私の実感です。

 この部分だけだと分かりにくいですが、この後でご説明させていただきます(直線的な)肩下がり部分と(直線的な)袖部分の編み図が出来上がった後で、この衿ぐりの部分を最後に合わせていく、という形になります。

 分かりにくくてモヤモヤされるかもしれませんが、そのモヤモヤは後で全体の編み図を描く事をご説明させていただく際に解消されると思います。