ここからは袖ぐり部分や衿ぐり部分と同じように、袖山カーブをグラフノートを使って編み図にしていきます。なお前半の時の袖の編み図と若干異なりますが、その点はご了承ください。
袖山部分の編み図は、袖の部分の編み図を作ってから描くのが本来の手順かと思います。しかしながら編み図は、曲線部分(袖ぐり、衿ぐり、袖山カーブ)と直線部分(肩下がり、袖)で描き方が異なります。
そのため曲線部分は曲線部分でまとめ、その後で直線部分をまとめてご説明した方が分かりやすいかと思いましたので、ここでは直線部分となる袖よりも先に曲線部分である袖山カーブの編み図の描き方をご説明させていただきます。
もし分かりにくく思われたら、後にご説明させていただきます袖部分の編み図の描き方の後で、改めてこの袖山カーブの部分を見ていただけたらと思います。
セーターの袖山カーブ部分のデザイン図を編み図に落とす
セーターのデザイン図は下の図の通りであり、袖山カーブ部分だけを拡大すると、更にその下の図の通りとなります。


① 袖山部分の、曲線となる部分だけをゲージに合わせた図面に落とします。袖ぐり部分の時と同じく、このセーターのゲージは以下の通りです。

- 横は21.5cmなので、ゲージ割合を掛けて23目分横線を引きます(21.5cm×1.07=23.00≒23目)。
- 縦は14.5cmなので、ゲージ割合を掛けて20段分縦線を引きます(14.5cm×1.36=19.72≒20段)。
- そしてそれぞれの端を斜線で結びます(この斜線が「袖山斜線」という事になります)。
デザイン図を編み図にすると、以下のようになります。

編み図に落とした図を拡大すると、以下のようになります。

② 袖山カーブを描くために、左上部分に「袖幅(21.5cm)÷6=3.58≒3.6cm」分の直線と、右下部分に「「袖幅(21.5cm)÷12=1.79≒1.8cm」分の直線を描きます。
- 左上部分は3.6cm×1.07=3.85≒4目となります。
- 右下部分は1.8cm×1.07=1.92≒2目となります。
- そしてそれぞれの端を直線で結びます。この直線の端を、それぞれC点とD点とします。

③ 袖山斜線とC-D線の交点(この交点をF点とします)と、C点との中間の位置に、C-D線に垂直となるように概ね1cm相当の線を描きます。この右端部分をE点とします。
- この「1cm相当」は、この図を描く時の図面のスケールから計算して1cm相当分の線としています。

④ 当初の直角三角形の頂点からC点までは直線として、C点からE点を通って、F点に至るなだらかなカーブをハンドライトで描き、更にF点から袖山斜線の下側を通って袖山斜線の右下の端に至るなだらかなカーブを描きます。カーブの終点はD点ではなく、袖山斜線の右下の端である事にご注意ください。

⑤ ④で描いたカーブに従って、袖山カーブの編み図を描きます(基本的にはなるべくカーブに食い込まないように段を描きます)。

⑥ これまで描いてきたのは袖山カーブの向かって右側半分ですので、概ね左右対称になるように左側部分も書きます
- この時2目減らす部分は右側で2目減らした段の次の段となる事、1目減らす部分は右側と同じ段になる事にご注意ください。
- 多少右側に比べていびつな感じには見えますが、ニットで手編みなので出来上がりはほとんど違いは分かりませんし、袖の付け根部分は内側に閉じ込まれてしまいますので表側からは全く見えません。

袖山部分の編み図をメモリーシートに落とす
ここも袖ぐり部分の時と同じように全て編み図でご説明しましたが、やはりカーブ部分は①向かって右側の編み図を描き、②それをメモリーシートに書き入れ、③向かって左側のメモリーシートを機械的に書き入れて、④向かって左側の編み図を作る、という形になります。
① 自作グラフノートに向かって右側の袖山部分の編み図を描く

上の図は向かって右側の編み図を拡大したものですが、どの段で何目減らすかは、以下の通りとなります。
1段目 :2目減らす
3段目 :2目減らす
5段目 :2目減らす
7段目 :1目減らす
9段目 :1目減らす
11段目 :2目減らす
13段目 :1目減らす
15段目 :1目減らす
17段目 :2目減らす
19段目 :2目減らす
② 向かって右側部分をメモリーシートに書き入れる
編み図のこの部分をメモリーシートに書き入れます。書き入れたものは以下の通りです。

③ 向かって右側部分を元にして、向かって左側部分を機械的に書き入れる
向かって右側部分の段段目で何目減らしていくかが書けたら、機械的に向かって左側部分を書き入れます。分かりやすいように、向かって左側部分は赤字にしておきます。

2目以上減らす場合には、向かって右側で減らした段の次の段で減らします(黒矢印部分です)。
1目しか減らさない場合には、向かって右側で減らした段と同じ段で減らします。
そして向かって左側部分を書き入れたら、袖ぐり部分の時と同じように、各段のところに「その段を全部編んだら何目になるか」を書き入れておきます。
袖山部分のスタートの手前は(片側で)21.5cmでしたので、「21.5cm×2×10.7÷10=46.01」となり、46目となります。ですので1段目で2目減らすので、左端の目数は「44」という事になります。
④ メモリーシートを元にして、向かって左側の編み図を描く
これらを編み図に落とすと、以下のようになります。

なおメモリーシートの上では20段目で左側を2目減らすともう14目残る事になりますが、20段目で終わりになるため、実際は16目全部を伏せて終わる事になります。