ここからは袖のデザイン図を描いていきます。身頃部分は自分サイズの図面を描いてからセーターのデザイン図を描きましたが、袖の部分は途中までは自分サイズの図面を描いて、そこからセーターの袖のデザイン図にしていきます。

 この時非常に重要になるのが袖の袖山部分(身頃の袖ぐり部分に付く事になる部分)のカーブなのですが、その際には袖ぐり部分の実寸ベースの寸法が必要になります。

 袖山部分のカーブは、身頃の袖ぐり部分の寸法から割り出す事になります。袖ぐり部分は既に見ていただいてお分かりの通り、脇下に近い部分がなだらかな曲線となっています。この部分の寸法を測るには、ヴォーグ社で販売されている「ゲージメジャー」を使う事をお勧めします。ゲージメジャーは税込みで1,408円で販売されています。ゲージメジャーの詳細は、リンクよりご覧ください。

 このゲージメジャーは1/4スケールのメジャーなので、1/4スケールで描いたデザイン図でそのまま測る事ができます。またメジャーの素材が丁度よく湾曲するので、曲線でも上手く測る事ができます。なお縮小サイズは1/4の他に、1/2、1/3、1/5もセットになっています(1/4スケール以外をどう使うのかはまだ知りませんが)。

 私は先生がゲージメジャーをお持ちの事は知っていましたが、市販されている事を知らなかったので普通のメジャーで測ってみたり、100円ショップで柔らかめの下敷きや白の製本テープを買ってきて自作したもので測ってみたりしていました。

 しかしながら普通のメジャーだと柔らかすぎて上手く曲線を測る事ができず、柔らかめの下敷きだと曲線に沿わせるには逆に硬すぎて、上手く測れませんでした。見かねた先生がお持ちのゲージメジャーをくださったのでそれで測ったところ、かなり正確に計れました。

 ゲージメジャーは単にメジャーだけでなく、ゲージに従った編み図も作れるように各種のゲージ別のものもセットになっているので、袖ぐりや衿ぐりなどの曲線部分の編み図を描くのに非常に便利です。

 また身頃のデザイン図の冒頭でもご説明しましたが、袖のデザイン図も最終的に編み図にするためのスケッチ的な意味合いとなります。

 「袖山斜線の長さをどう決めるのか」や、「袖山カーブを描く時にはどのように幾何学的にそのポイントを決めるのか」は編み図を描く上でも重要なポイントになりますので、ここではそうした長さの決め方やカーブのポイントの決め方について大まかにご理解いただければ十分かと思います。

① 袖丈55cm)の中心線を垂直線で引きます(袖部分は半分だけ図面にして、編む時にはそれを全体に展開して編むことになります)。

② 袖丈線の一番下の点から右方向に向かって、手首回りの半分8cm=16cm÷2)だけ線を引きます(右端をA点とします)。

③ 袖丈線の一番上から33cmのところ(ひじ丈=袖丈55cm×3/5=33cm)で、右方向に向かってひじ回りの半分12cm=24cm÷2)だけ線を引きます(右端をB点とします)。

④ A点からB点に向けて、案内線を引いておきます。

⑤ 腕回りの半分16.5cm=33cm÷2)に、約5cmのゆるみを加えた21.5cm袖幅として、袖丈線に平行に、案内線を引きます。

 ここではゆるみを5cmとしましたが、好みやデザインでゆるみの寸法は調整します。

⑥ セーター図面の後ろ見頃のAHの長さ前見頃のAHの長さ(身頃の「SP」点から「E」点までの長さ)を測っておきます。ここでは後ろ見頃のAH線と前見頃のAH線は全く同じで、それぞれ25.8cmとなっています。ここはゲージメジャーでなるべく正確に計ってください

 ゲージメジャーでカーブ部分を計る時は、写真にあるようにデザイン図のカーブの部分に1/4スケールのゲージメジャーをあてて、長さを計ります。

 「SP」点から「G」点までは直線で12.0cmですが、「G」点から「E」点までの曲線は写真にあるように16.5cmです。したがってAH全体の長さ28.5cm(=12.0cm+16.5cm)となります。

⑦ 「(後ろAH+前AH)÷2」が「袖山斜線の長さとなります(ここでは25.8cm)。デザインノートのスケール(1/4)に合わせると、約6.5cmとなります(25.8mc÷4=6.45cm)。

 定規の0cm部分を袖丈線の頂点に(袖丈線に垂直となるように)合わせ、6.5cm部分袖幅案内線とが交わるまで、青矢印のように徐々に右下に傾けます。この斜線が、袖山斜線となります。

 そして定規の6.5cm点袖幅案内線との交点となった水平線が、袖幅線という事になります。この図面では、袖幅線の長さ21.5cmとなっています。

⑧ 袖口部分にも約5cmのゆるみを加えて13.5cmの幅とし、長さ(高さ)を6cmとします。

 ここでは唐突に「6cm」としましたが、これはこの後でご説明します身頃の編み図を作った時に裾の1目ゴム編み部分の長さとして決めたのと同じ長さとなっています。だいたい身頃の裾の1目ゴム編み部分の長さと袖口の1目ゴム編み部分の長さは同じとした方が、バランスが良いかと思います。

 このブログでは分かりやすいように全体での「自分サイズの図面→デザイン図→編み図」の順でご説明していますが、実際に図面を作って編んでいく時には、最初に身頃の編み図までを作って、その後から袖部分のデザイン図→編み図という順で作っていきます。そのため袖部分のデザイン図を作る時には既に身頃の1目ゴム編み部分の長さが分かっているため、その長さに合わせて袖口部分の長さを決める事になります。

 これが袖口の長さを唐突に6cmとした理由になります。

⑨ 袖口の右上袖幅線の右端を結び、袖口から脇下までの袖幅線とします。

⑩ 袖山カーブを描くために、左上部分の袖山幅と、右下部分の袖山幅を計算します。左上部分の袖山幅は「袖幅÷6」とし、右下部分の袖山幅は「袖幅÷12」とします。

  左上部分の袖山幅 : 袖幅(21.5cm)÷  6 ≒ 3.6cmC点とします)

  右下部分の袖山幅 : 袖幅(21.5cm)÷ 12 ≒ 1.8cmD点とします)

 そしてC点とD点を結びます。袖山斜線とCD線との交点は、F点とします。

⑪ C点とF点の中間の位置に、C-D線に垂直となるように1cm(ここでのスケール上は0.25mmとなっています)の線を描きます(この点をE点とします)。

⑫ 袖丈線の頂点とC点を結び、C点からE点を通ってF点まで自然なカーブを描き、F点から袖幅線の右端に向かって、袖山斜線の下側にふくらみを持たせる自然なカーブを描きます。

 下側のカーブの頂点は、F点と、袖山斜線の右下端との中央辺りとします。

 袖山カーブの最終点はD点ではなく、袖山斜線の右下端である事にご注意ください。

 袖部分のデザイン図の完成です。

 図面の細かい部分は少し見にくかったかもしれませんが、編み図を作る時に、もう少し見やすい図面とさせていただきますので、この袖の部分では以下の点について大まかにご理解いただければと思います。

① 袖山斜線の「傾斜」を決めるために、袖幅の案内線を引いておく事。

② 袖山斜線の長さ」は、「(後ろAH+前AH)÷2」の長さとなる事。

③ 袖ぐりのカーブ部分は「ゲージメジャー」で測るのが一番良い事。

④ 袖山カーブを描く時に通過すべきポイントは、左上が「袖幅÷6」、右下が「袖幅÷12」となる事。

投稿者

スズキ タロウ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)