肩下がりの時は(概ね)均等に目数を減らしていきましたが、袖部分は袖口から袖ぐりに向かって目数が増えていく事になります。肩下がりの時と少し異なりますが、これも「編み物独特」と考えてあまり理論的に悩まない事にしております。

セーターの袖下部分のデザイン図

 セーターの袖下部分のデザイン図は下の図の通りであり、袖下部分だけを拡大するとその下の図の通りとなります。

 デザイン図において、袖口から袖の膨らみ始めの袖幅線までの高さは34.5cm、袖の膨らみ始めから膨らむ最後まで(脇下部分)までの幅は8.0cmとなります。

デザイン図をゲージに従って段数と目数を割り出す

 このセーターのゲージは以下の通りであり、このゲージに基づいて高さと幅部分を編み図に落とします。

 高さ部分 :34.5cm×13.6÷10=46.92≒48段

 幅部分  :8.0cm×10.7÷10=8.56≒8目

段数と目数から、どのような袖下部分の直線とするかを算出する

 ここでも肩下がりの時と同様に色々な疑問は出てきますが、「こうすれば正しく袖口部分の編み図が作れる」と考えて、私は割り切る事にしております。

 袖下で増やし目をしていく場合には、「48段の間で、8目を概ね均等に増やしていく」事を計算で求める事になります。

① まず48段を9で割ります。

 この場合の「9」は、植木算の時と同じように、「両側が空く場合の計算方法」として目数8)に1を足したものとなります。

  • すると解として「5」が立って、余りが3という事になります。
  • 肩下がりの時と同様にその余った「3」を、割る数である「9」から引くと、「6」となります。

② これで「5段毎に(1目増やし)を6回行う」というように考えます。

③ そして肩下がりの時と同じように、解である「5」に「1」を足します。すると「6」という事になります。

④ この計算で、「6段毎に(1目増やしを)3回行う」というように考えます。

 これらを合わせると、「5段毎に(1目増やし)を6回、6段毎に(1目増やしを)3回行う」という事になります。しかしながら「段」は常に「表編みとウラ編み」をセットとした偶数でなければならないため、その調整をしなければなりません。

 この場合の調整は、「5段毎に(1目増やし)を6回行う」という部分を、「6段毎に(1目増やし)を3回行う」と「4段毎に(1目増やし)を3回行う」というように、段数を偶数として、全体の目数は変わらないように調整します

 これらを合わせると、「6段毎に(1目増やし)を6回、4段毎に(1目増やしを)3回行う」という事になります。

 しかしながらここでも回数が「6+3=9回」とすると全部で(目を増やすのが)「9回」となってしまって計算が合わなくなるので、肩下がりの時と同じように「何もしないブロックが1つあると考えます(緑の四角部分)。

 ここは肩下がりの時とは逆に最初の1ブロック分は何もしない(目を増やさない)」と考えて、「最初の6段は何もせず(目を増やさず)、その後6段毎に(1目増やし)を5回、4段毎に(1目増やしを)3回行う」と考えます。これを編み図とすると、下の図のようになります(右側は植木算の例を当てはめた図です)。

 袖下の増やし目の場合は、「肩先側に少ない段数をもってきて、袖口側に多い段数をもってくる」のが基本です。ただしこれも肩下がりの時と同じで「基本」であり、デザインによっては逆にしたり間にもってきたり場合もあるようです。そして曲線部分の時と同じように、「なるべく線に食い込まないようにする」のも基本です。

 ちなみに基本の「6段毎に1目増やす」場合を袖口側としたものが下の左側の図(黄色斜掛け)で、「4段毎に1目増やす」場合を袖口側としたものが右側の図です。当たり前ですがが、少ない段のブロックを袖口側にもってきた方が、若干ですが全体的に袖が太くなります。

直線部分の平均計算のまとめ

 大きい数の方を割ります肩下がりの場合には目数を、袖下の増やし目の場合には段数を割ります)。

 割り算で出た「余り」を「割る数」から引きますその数を「回数その1」と考え、「余り」を「回数その2」と考えます。

 肩下がりの場合には、は「減らす目数その1」と考えて、解に「1」を足したもの減らす目数その2」と考えます。

 袖下の増やし目の場合には、は「(1目増やす時の)段数のブロックその1」と考えて、解に「1」を足したものは「(1目増やす時の)段数のブロックその2」と考えます。

 「回数その1」と「回数その2」、又は「段数のブロックその1」と「段数のブロックその2」は、それぞれそのうちの1回又は1ブロックは、「何もしない(目を減らさない/目を増やさない)」回数又はブロックと考えます。

 肩下がりの場合には「最後に残った目数の部分が何もしない(目を減らさない)部分」と考えて、袖下の増やし目の場合には「最初のブロックが何もしない(目を増やさない)部分」と考えます。

 私はこうしてまとめたものをファイルして、作業の都度まとめを見ながら肩下がりや袖部分の計算をしております。全てを整数にしなければならないという特殊な計算方法なので、なかなか暗記はできません。ご参考まで。

 袖部分をメモリーシートに落とすと以下の通りとなります。なおデザイン図での袖口部分は(片側で13.5cmでしたので、メモリーシートの始まりの目数30目となります。

 (13.5cm×2×10.7÷10=28.89≒30目

投稿者

スズキ タロウ

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