ここまでで一通りセーターの編み方はご理解いただけたかと思います。一応最初に申し上げた通り、糸(カプチーノ)の本数や針の太さを変えれば違ったサイズを編む事ができますが、それらのサイズが必ずしも自分に合ったサイズとは限らない場合もあるかと思います。
また比較的安定的に入手できるという事でatelier K’skのカプチーノという糸をご紹介させていただきましたが、それ以外の糸の方がお好みである場合もあると思います。
ここからは好きな糸・好きな針の太さで自分サイズのセーターが編めるように、自分のサイズの測り方からデザイン図の作り方、編み図の作り方についてご説明させていただきます。
ただ一人暮らしをしている等で自分のサイズを測る事ができない場合もあると思いますので、最後に自分のお気に入りのセーター等を図面に落として編み図を作るというやり方もご説明させていただきます。
参考までに、まずは私がどのように編み図の描き方を理解するに至ったかについて、簡単にご説明させていただきます。
最初にセーターを編んだ時には、部分部分で先生にどのようにして編むかをご指示いただき、そうしたご指示やメモリーシートだけを頼りに編んでいきました。また教えていただいた事を忘れないようにと、ノートにメモを残しておきました。
ただ肩下がりのところは一度教わっただけでは良く分からなかったので、家に帰ってからメモリーシートとメモを頼りに、100円ショップの安い糸で肩下がり部分だけを自主練したりしました。
何度かそうした肩下がり部分の自主練の末に、「これは編み図もあった方が良く分かるかも」と考えて、自分なりに編み図を描いてみました。そして編み図をメインにメモリーシートを参考にして編むと、メモリーシートの数字の意味や先生に教えていただいた事が良く分かるようになりました。
その後セーターの全部の編み図が描けるようになれるようにと、先生から袖ぐりなど他の部分の編み図の描き方を教えていただき、それをまとめたのがこれ以降の投稿となります。
ここからは先生に部分的に教えていただいた事を中心に自分なりにまとめたものをベースにしているのですが、全てのドラフトを作り終えた後でヴォーグ社から「編み物の簡単なサイズ調整と製図と割り出しの基礎」という本が出版されている事を知りました。
この本はずっと絶版になっていたようですが、最近になってリニューアル登場したとの事です。これ以降の説明は所々その本に書いてあるのと異なるところもありますが、概ね間違ってはいないかなと思っております。また所々表現もヴォーグ社の本とは異なりますが、その点もご容赦いただければと思います。この本の詳細につきましては、リンクよりご覧ください。
まずは自分のサイズの計り方についてご説明させていただきます。この一覧で「自分サイズ」とあるのは、私の各部分のサイズです。その隣には男子標準サイズ(大)も併記させていただきました。私は背格好は標準的ではありますが、サイズ的には大き目のサイズである事を再確認した次第です。
主な採寸の部分や測り方は以下の通りです。一部は自分的に分かりやすいように変えてありますので、正しい採寸の部分等につきましては「編み物の簡単なサイズ調整と製図と割り出しの基礎」をご参照下さい。なおこの本の33ページには、レディスとメンズの一般的なサイズも掲載されています。

このブログをスマホでご覧いただく場合だと一覧表では見にくいと思いますので、採寸するそれぞれの部位ごとに説明を以下に記載させていただきます。
(胴部分)
1. 首回り(N)
肩線上の首の付け根(NP=Neck Point)から首の周囲を測ります。
2. 背肩幅(SP-SP)
片側の肩先(SP=Shoulder Point)(肩の付け根辺り)から、反対側の肩先(SP)まで、背中の厚みを測り込まないように直線的に測ります。(編み地の伸びを考慮したニット特有の測り方との事です。)
3. 胸囲(B)
(B:Bsut)胸の一番高いところを水平に一周して測ります。
ちなみに「バスト」とは女性の胸囲を指すもののようで、男性の胸囲は「Chest」というのが正しいのでしょうか?正確なところは良く分かりませんが、以下ではB(バスト)とさせていただきます。
4. 胴囲(W)
( W:Waist)胴の一番細いところを水平に一周して測ります。
5. 腰囲(H)
(H:Hip)腰の一番太いところを水平に一周して測ります。
6. 背丈(FS-W)
首の後ろのグリグリ(FS)から胴囲(W)までを測ります。
(FSとは、下を向いた時に背骨のところで出てくる部分で、「第一背骨」First Spine(ファースト・スパイン)と言います。)
7. 着丈(FS-H)
首の後ろのグリグリ(FS)から腰囲(H)までを測ります。(「着丈」とは、衣服の後ろの衿ぐりの中心から裾までの長さを言います。)
8. (肩下がり)
(定数値)(NPとSPとの間の高さになります。)
9. (後ろ衿下がり)
(定数値)(NPとFS(後ろ衿ぐりの中心)との間の高さになります。)
10. 腕つけ回り(AH)
(AH:Arm Hole)腕を下げ、(肩先から脇下までの)腕の付け根を1周して測ります。
(腕部分)
11. 腕回り
腕の一番太いところを一周して測ります。
12. 袖丈
手を自然に下げ、肩先(SP)から手首(くるぶしの真ん中)まで測ります。
13. (ひじ丈)
(定数値)(SPから下に、袖丈の3/5の位置になります。)
14. ひじ回り
ひじ関節の上を一周して測ります。
15. 手首回り
手首のくるぶしの上を一周して測ります。
補足説明(着丈)
着丈(FS-H)というのは、「編み物の簡単なサイズ調整と製図と割り出しの基礎」にはありません。この部分は上記6の背丈(FS-W)と、本に記載されている「ヒップ(H)下がり」という胴囲(W)から腰囲(H)までの長さを合計した長さになります。
本来「着丈」とは衣服の衿から裾までの長さの事で、裾の位置はデザインによって腰囲(H)の位置より上だったり下だったりします。
ただ個人的に背丈とヒップ下がりをそれぞれ測るより、首の後ろのグリグリからメジャーを腰囲(H)まで一気におろして測って、その途中の胴囲(W)部分の寸法を見た方が簡単なんじゃないかと思ったので、勝手に「着丈」と称した次第です。
なぜヴォーグ社の本では分けているんだろうと思って先生にお聞きしたところ、基本的な採寸は女性をベースしており、「ヒップ(H)下がり」はスカート等を作る際に必要な寸法だからという事でした。
男はニットで履くものは作らないので、「じゃあ別にヒップ下がりは無視して、上から下まで一気に測った方が楽だよね」と思い、「着丈」を自分で勝手に定義付けした次第です。ご参考まで。